子どもがつくるまち「ミニふくおか」を知っていますか?

2014年より、「ミニふくおか」の講師(まちづくり専門家)をしています。この「ミニふくおか」は大変おもしろい事業ですので、ぜひご紹介したいと思います。

「子どもがつくるまち ミニふくおか」とは、主催福岡市・ミニふくおか実行委員会、企画・運営ミニふくおか実行委員会によって実施される、子どものためのイベント事業です。

ドイツ・ミュンヘン市で行われている「ミニ・ミュンヘン」をモデルとして始められましたが、2012年度から今年で5年目となり、さまざまな独自の試みも行われていますので、もはや「ふくおかモデル」と呼んでも良いと思います。

ミニふくおかの目的は、「体験や遊びを通して、子どもの主体性を育む。」「職業体験、まちづくり、起業など広く社会を学び、積極的にまちづくりに参画する心を育む。」ことです。

毎年8月に3日間だけ出現する、子どものための、子どもがつくるまち。

実際には、応募してきた子ども実行委員会の子どもたち(小学5年生〜中学3年生、約40名)が、5月から開催当日まで、企画→制作→実施まで行います。ですから、本当に子どもたちの力で、子どもたちのまちがつくられているのです。

開催当日には、抽選で選ばれた一般「市民」参加者(小学3年生〜中学3年生)が、1日約500人訪れます。そして、この子どもたちのまちを福岡市、市内の企業や大学、たくさんの大人たちが支えています。

ミニふくおかは、いわゆる職業体験の場(店舗等の疑似体験をするような)だけではありません。店舗の他にも、市民生活を支える「公共」部門、市役所、ハローワーク、ハローアカデミー、銀行、大学があります。当日その場で起業することもできます。働いた分給料が支払われますが、きちんと税金も納めます。

テーマ決めそして、専門用語で言うところの、いわゆる『基本構想・基本計画・実施計画』=『総合計画』および『都市計画』段階から、子どもたちが話し合い、決定していきます。これに基づき、次にどのような店舗を置くのか、市民から収められた税金をどのように使うのか、といった仕事内容の詳細まで詰めていきます。私は『総合計画』をどのように決めていくのか、という部分の講師をしていますが、大学生と同様の内容による講義や演習にもかかわらず(それくらいの内容が必要なために実施しているわけですが)、子ども実行委員たちはしっかりと挑戦し、実行していきます。

去年の基本構想=まちのテーマは、「きらめく大夢(Time)あふれるミニふくおか〜新しい自分に出会うまち〜」でした。未来は自分たちでつくるのだ、という気持ちがあふれていますよね。

切り取りタイムーンそして、子どもたちの発想から誕生した素敵なものがあります。ゆるキャラ「タイムーン」です。「未来から夢のかけらを集めに」ミニふくおかにやってくるのです。名前や由来、デザインまでも子どもたちが考え、着ぐるみも子どもたちが大人のサポートを得て自分たちでつくりました。非常に柔軟で創造的な発想でした。

このように、ミニふくおかは単なる一過性のイベントとは違い、社会教育的効果も高い事業となっています。現に、ミニふくおかの子ども実行委員経験者達は、後輩たちを指導する立場となったり、プレゼンテーション能力が飛躍的に向上します。子どもたちは、まちづくりの議論のなかでお互いの意見を尊重し合い、決定し、自分たちの発想が実現するプロセスを通して、自立/自律する心や協調性等を学び、力をつけていきます。

今年(2016年)もミニふくおかは実施されます。

もちろん私も講師として参加していますが、去年と同じことも違うこともあり、子どもたちが成長していくさまを目の当たりにしています。8月23日、24日、25日の本番が今から楽しみです。

※引用:『子どもがつくるまち ミニふくおか 報告書』(2014年/2015年)より。

詳細は、公式HP まで。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次